歯が痛いからか頭痛もする…なぜ?? 岐阜県本巣郡の歯科、ひまわり歯科クリニック

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歯が痛いからか頭痛もする…なぜ??

「歯が痛いと頭まで痛くなる」ーーこれは多くの人が経験する現象で、実は神経のつながり炎症による反応、そして体の防御システムが複雑に関係しています。 〇なぜ歯の痛みが頭に伝わるのか? ①三叉神経(さんさしんけい)の関係 歯の痛みが頭に響く最も大きな理由は、「三叉神経(さんさしんけい)」という太い神経の存在です。 三叉神経は脳からでて顔の感覚を司る神経で、名前の通り「3つの枝」に分かれています。 1.眼神経(第1枝)… 目・おでこ・頭の前方の感覚 2.上顎神経(第2枝)… 上の歯・頬・鼻の周囲 3.下顎神経(第3枝)… 下の歯・あご・こめかみ周辺 歯の神経(歯髄神経)は、この三叉神経の枝の末端と直接つながっています。 そのため、歯の痛みの信号が三叉神経を通って脳に伝わると、脳が「どの部分が痛いのか」を正確に区別できず、顔や頭の痛みとして感じることがあります。 これを医学的には「関連痛」といいます。 例えば、舌の奥歯のむし歯がひどくなると、同じ下顎神経を通るこめかみや耳のあたりまで痛みを感じることがあります。 また、上の奥歯の炎症は上顎神経を介して目の下や頭の前側まで痛みを引き起こすこともあります。 ②炎症による神経の過敏化 虫歯や歯周病で炎症が起こると、**炎症性物質(ヒスタミン、ブラジキニン、プロスタグラジンなど)**が放出されます。 これらの物質は痛みを伝える神経の感度を高め、少しの刺激でも強い痛みを感じるようになる状態を作ります。 この状態を「神経の過敏化」と呼びます。 過敏になった神経は、本来は別の部位の刺激まで「痛み」として誤認してしまいます。その結果、実際には歯が原因なのに、頭・耳・目の奥・首筋などが痛く感じられるのです。 ③血管と神経の連携 — 頭痛のメカニズム 歯の痛みが続くと、神経だけでなく血管も関係してきます。 痛みの刺激は自律神経を興奮させ、血管を拡張させるホルモン(セロトニンやCGRPなど)が放出されます。 血管が拡張すると、その周りの神経が圧迫されて「ズキズキ」と拍動するような痛みが出ます。 これは、片頭痛や緊張型頭痛と似たメカニズムで、歯の痛みがきっかけで頭の血管性頭痛を誘発することもあります。 特にむし歯の炎症が強い時や、親知らずの感染(智歯周囲炎)などでは、こめかみや後頭部の痛みを伴うことがあります。 ④噛みしめや顎の筋肉の影響 歯の痛みや違和感があると、人は無意識のうちに噛みしめたり、顎を緊張させたりします。 すると咬筋(こうきん)や側頭筋(そくとうきん)といった顎を動かす筋肉が硬くなり、血流が悪化します。 この筋肉のこりが筋緊張性頭痛を引き起こす原因になるのです。 特に、奥歯の痛みで片側だけで噛んでいると、片側の側頭筋が過度に使われ、片側性の頭痛を感じやすくなります。 朝起きた時に頭が重い、こめかみが痛い、といった症状もこの筋肉のこりによるものです。 ⑤ストレスと痛みの悪循環 歯の痛みが長引くと、睡眠不足やストレスも増えます。 ストレスは交感神経を緊張させ、血管を収縮させる一方で、痛みを抑える脳内物質(エンドルフィンなど)の働きを弱めます。 その結果、「痛みを感じやすい体」になり、歯の痛み⇒頭痛⇒さらにストレスという悪循環が起こります。 〇対処法と注意点 1.まずは歯科医院を受診 頭痛の原因が歯にある場合、鎮痛剤だけでは根本的に治りません。 むし歯や歯髄炎、親知らずの炎症などを治療することが第一です。 2.冷やす・安静にする 炎症による痛みには、温めるより冷やす方が効果的です。 ただし、冷やしすぎると血流が悪化するため、短時間にとどめましょう。 3.噛みしめを意識的にやめる 無意識に歯を食いしばっていることが多いです。上下の歯の間に少し隙間を作るように意識すると、筋肉の緊張が和らぎます。 4.市販薬での一時的な対処 ロキソニンやイブプロフェンなどの市販薬の鎮痛剤では、一時的には痛みを抑えますが、原因治療にはなりません。   歯の痛みが頭に伝わるのは、歯と頭が神経・血管・筋肉・自律神経で密接につながっているからです。 単なる「歯の痛み」ではなく、神経ネットワーク全体の反応として頭痛が生じるのです。 だからこそ「頭痛がするけど歯も少し痛い」場合や、「鎮痛剤を飲んでも頭痛が続く」場合には、歯のトラブルを疑って歯科医院を受診することがとても重要です。